お別れ
★大出血!!
12月9日 22週1日
日曜の真っ暗な朝。3時半ぐらいだったかな。
トイレに行こうと思って立ち上がったら出血の気配。かなりの量っぽい・・・
ナースコールしながらもドクドクと感じる。かなりヤバイ。
前の人も大きなお腹で心配してくれる。車椅子で処置室へ連れて行かれた。
内診台に載るとものすごい勢いで血が噴き出る。
一時は貧血で呼吸困難気味だった。後から聞くと出血量は1300~1500!
輸血もした。
翌朝から輸血やら、あらゆる血管からの採血。
そして、母体を優先するということで大腿部の動脈から子宮への血流を塞ぐ処置をされた。
子宮動脈塞栓術。
この時点で赤ちゃんは徐脈になっていて、子宮動脈塞栓術をすることで「サヨナラ」を意味していた。
でも、私は頭が朦朧としてよく理解出来ていなかった。
12月10日 22週2日
朝から分娩台へ。
自然に3cmくらい子宮が開いたから陣痛促進剤を使い自然分娩へもっていく。
文字だけ見るとあっさりしてるけど、実際はものすごく痛いし、きつくて苦しかった。
とても息苦しい。実はこの時肺水腫になっていた。
そして、血圧も200近くまで上昇!降圧剤を舌下しての分娩。
陣痛が痛い。ものすごく痛い!
「痛い!痛い!」何度も叫んだ。
陣痛の痛みに耐えられるのは、赤ちゃんの産声を聞くことが出来るからなんだろうな。
私の赤ちゃんはそれが出来ない。
あの部屋に入ってどれぐらいの時間が経ったんだろう?
ようやく、その時がきた・・・
午後2時27分。二人のドクターと助産師によって赤ちゃんはとりあげられた。
イキミと共に何かがすごい勢いでお腹から放出された感じ。
もちろん、息はしてないし産声だってない。
誕生死・・・
だって、昨日から徐々に私のお腹の中で弱っていってたんだから。
それに、子宮への血流も止められて・・・
奇胎もその後、胎盤と共に出てきた。
家族が集まってちいさなちいさな柩に入った赤ちゃんに対面した。
足から出てきたのに、ちぎれたりせずにきれいな顔でいてくれた。
たった身長28センチ、体重495グラムだった。
きれいな可愛い可愛い男の子だった。
ただ眠っているだけみたいだった。立派なちんちんもあった。
ハナペチャなとこが私そっくりだった。
その後私はまだ続く診察と悲しみと闘った。